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FIIO QX13とKA17を比較しての違いは?

ドングル型DAC

FIIOのドングル型DACの新フラッグシップ・QX13と、従来機で下位モデルのKA17を比較しての違いを解説。上位モデルの有利点や下位モデルのメリットなどのポイントなどをわかりやすく解説します。両機の選び分けについても考察。

はじめに

FIIOは、ポータブルオーディオ製品において高い評価を受けているブランドで、設計の精密さや音質性能が際立っています。その中でも注目されるのが、ポータブル使用を重視した「ドングル型DAC」と呼ばれる製品群です。今回は、FIIOのドングル型DACにおける新フラッグシップモデル「QX13」と、従来モデルである「KA17」を徹底比較し、それぞれの特徴や違いを解説していきます。

FIIOが提供するドングル型DACは、スマートフォンやPCを簡単にハイファイオーディオに変えられる手軽さに加え、コンパクトさと高音質を両立しています。「QX13」と「KA17」はその中でも注目すべきモデルで、それぞれ異なるユーザーニーズに応える製品です。この記事では、これらの製品が持つ特徴、性能、そして使用シーンにおけるメリットを詳しくお伝えします!この2つで迷っている方に役立ちます!

FIIO QX13とKA17の概要

FIIOブランドの特徴とドングル型DACの役割

FIIO(フィーオ)は、2007年に中国で設立され、ポータブルヘッドホンアンプやデジタルオーディオプレーヤーといった製品で知られるオーディオブランドです。FIの“Fidelity(忠実性)”とIOの“1と0(デジタル)”に由来するブランド名が示す通り、FIIOは高品質な音響再生を追求しています。このブランドの取り組みは、手頃な価格で音質向上を実現できる点でも評価されており、特に「E5」や「BTR3」などのポータブルオーディオ製品はユーザーに人気です。

近年では、急増するスマートフォンユーザーの高音質な音楽ニーズに応えるべく、ドングル型DAC(Digital-to-Analog Converter)の開発に注力しています。このドングル型DACは、デジタル音声信号をアナログ信号に変換し、イヤホンやヘッドホンでの再生品質を向上させる役割を担っています。特に、PA(ポータブルアダプター)や据え置き用途の双方に対応できる設計が評価され、オーディオ愛好家から支持を受けています。

新フラッグシップモデル「QX13」の基本概要

FIIOのドングル型DACシリーズにおける新フラッグシップモデル「QX13」(2025年9月12日発売・実売約3.6万円から)は、ポータブルオーディオの可能性をさらに広げる革新的な製品です。高性能DACチップ「ES9027PRO」を採用し、8チャネル対応のフルバランス設計を実現しており、据え置き型のDAC/ヘッドホンアンプに匹敵する音質を提供します。また、TI製のマルチオペアンプ(「OPA1692」×2、「INA1620」×4)を搭載することで、出力は900mWに達し、従来モデルのKA17(2024年発売・実売約2.6万円)と比較して約46%増のパワフルさを誇ります。

その上、1.99インチのカラー液晶ディスプレイを搭載し、出力やモード選択などを視覚的に確認できる操作性の良さも特徴となっています。さらに、マグネット式の専用ケースが付属しており、スマートフォンと一体化して快適に使用できるデザイン性にもこだわっています。これにより、ポータブルオーディオユーザーにとって最適な選択肢として注目されています。

従来機「KA17」のポジションとは?

「KA17」は、FIIOの過去の製品であるKAシリーズの中で、中上位モデルとしての役割を果たしてきました。その特徴は、デュアル「ES9069Q」チップとTHXの高性能ヘッドホンアンプ「AAA-78」を採用した点にあります。デスクトップモードでは最大650mWのバランス出力を実現し、ポータブルながらもハイパフォーマンスな音質を提供します。

また、0.91インチのドットマトリックスディスプレイが搭載されており、モードや出力設定の調整も容易です。アルミユニボディ設計の堅牢性や携帯性もあいまって、オーディオ愛好家だけでなく、ポータブル性を重視する一般ユーザー層にも支持されています。価格帯的にも手が届きやすい位置付けとなっており、KAシリーズの重要なモデルといえるでしょう。

市場での価格帯とターゲットユーザー層

価格面で比較すると、「QX13」はブラックが約39,600円、チタニウムゴールドが約35,860円と、ドングルユーザーにとってはハイクラス志向向けの位置付けにあります。一方、「KA17」は約26,400円と、コストパフォーマンスを重視するユーザーをターゲットとしたモデルです。この価格の差は、搭載されているDACチップやアンプ構成、そして出力能力などの性能差によるものです。

「QX13」は、より高品位な音質を追求するオーディオマニアや、据え置き型並みの性能を持ちながらもポータブル性を求めるユーザーに最適です。一方、「KA17」は、ポータブルながらも高音質を求めたいというユーザーに向けたバランスの良い選択肢といえます。各モデルの魅力が異なるため、ニーズに応じて選ぶことでユーザー体験を最大化できるでしょう。

FIIO QX13とKA17の違い

DACチップ

FIIOのドングル型DAC「QX13」と「KA17」では、搭載されているDACチップが大きな違いとなっています。QX13にはESSの第2世代フラッグシップとなる「ES9027PRO」シングルチップが採用されており、8チャネル対応のフルバランス設計となっています。一方、KA17ではデュアル構成の「ES9069Q」チップが採用されています。この違いにより、QX13はより高い音質性能とバランス設計による幅広い表現力を実現しています。

アンプ構成

アンプ構成についても両モデルで異なります。QX13はTI製の「OPA1692」を2基、「INA1620」を4基組み合わせたマルチオペアンプ設計を採用し、より高度な回路設計を実現しています。一方、KA17はTHX認証アンプ「AAA-78」を採用し、「OPA1692」を2基組み合わせた構成となっています。QX13はクリアでパワフルなサウンドを提供し、KA17はTHXの技術を生かした高忠実度な音質を楽しめます。

最大アンプ出力

出力性能においても大きな違いがあります。QX13ではデスクトップモード時にバランス出力が最大900 mWを実現しており、KA17の最大出力650 mWに比べ約46%の出力増加を見せています。この高出力により、QX13は高インピーダンスのヘッドホンや難駆動なイヤホンでも余裕を持ってドライブすることが可能です。

インテリジェントな出力制御

QX13には高精度のパワーメーターが搭載されており、接続するUSB出力機器の電源供給能力を正確に測定し、ヘッドホンアンプのゲインや出力をインテリジェントに調整する機能を備えています。一方、KA17にはこのような高精度な出力制御機能は搭載されていません。

内部設計・電源回路

QX13は据置型DAC/ヘッドホンアンプに匹敵する特別設計のオーディオ回路を採用しており、8チャンネルフルバランス構成や超低ノイズレギュレーター、並列増幅、最適化されたオーディオ回路設計、効率的な放熱処理を実現しています。一方、KA17はデジタルとアナログ基板を分離した構造を採用し、マルチステージ電源(10レール、3段構成)による安定した電源供給を目指しています。

消費電力

QX13はその出力性能がKA17比で約46%増加しているにもかかわらず、消費電力は23%削減されているという高効率設計が特徴です。KA17については、デスクトップモードでのアンプ出力向上が特筆されていますが、消費電力に関する詳細な数値は明記されていません。

表示・操作系

QX13には1.99インチカラー液晶ディスプレイが搭載されており、直感的に操作可能な下部ボタンとテーマ変更機能が用意されています。また、画面の耐久性を向上させるためにCorning製の第3世代ガラスを採用しています。一方、KA17は0.91インチのドットマトリックスディスプレイを搭載し、側面のボリュームロッカーやデスクトップモードスイッチによる操作性の向上を図っています。

本体素材・デザイン

QX13はカーボンファイバー(最大21層)またはアルミ合金の2種類のデザインが選べます。カーボン素材は耐ノイズ性能や耐熱性に優れており、軽量化も実現しています。KA17はアルミユニボディによる堅牢なデザインと携帯性を重視した構成です。それぞれ異なる素材を採用することで、ユーザーのニーズに応えています。

付属ケースの利便性

QX13にはマグネット式ケースが付属しており、スマートフォンやリングマグネットシートを用いることで、ゴムバンドなどで束ねることなく装着が可能です。KA17には類似の利便性を提供するアクセサリーはありません。

サイズ

QX13は約64.2×30.7×13mm、KA17は約64.0×27.7×12.7mmと似通ったサイズ感ですが、横幅や厚みに若干の差があります。どちらもポケットに収まりやすいコンパクトな設計です。

重量

QX13の重量はカラーバリエーションによって異なり、ブラックが約33.7g、チタニウムゴールドが約39.2gです。一方、KA17の重量は約33.5gで軽量性を特徴としています。

発表時期・価格帯

QX13は2025年9月12日発売予定で、実売価格はブラックが約39,600円、チタニウムゴールドが約35,860円です。KA17は2024年2月に発売され、実売価格は約26,400円となっています。QX13は高性能を備えたフラッグシップモデルとしての位置づけのため、KA17に比べ価格帯がやや高く設定されています。

FIIO QX13とKA17の共通点

高性能オーディオドングル

FIIOのQX13とKA17はどちらも高性能オーディオドングルとして位置付けられており、ポータブルながら高音質を楽しむことができる製品です。特に、FIIOが築き上げてきた高品質な設計ノウハウがこの製品にも活かされており、クリアな音質とバランスの取れたサウンドが特徴です。

独立した給電用USB Type-Cを利用した高出力を実現するデスクトップモード搭載

QX13とKA17ともにデスクトップモードを搭載しており、独立した給電用USB Type-Cポートを使用することで高出力を実現しています。この機能により、据え置き型のヘッドホンアンプに匹敵するパワフルなオーディオ体験が可能となっています。

高性能かつ低レイテンシーを実現する「XMOS XU316」チップを採用

両モデルとも「XMOS XU316」チップを搭載しており、オーディオ信号の高精度な処理を実現するとともに低レイテンシーを可能にしています。これにより、高精細なリアルタイムオーディオ体験が実現しています。

最大PCM768kHz/32bitおよびDSD512ネイティブのデコード

最大 PCM 768kHz/32bit および DSD512 のネイティブデコードに対応しており、高解像度オーディオフォーマットを余すところなく楽しむことができます。この性能はオーディオマニアや音楽愛好家にとって大きな魅力です。

MQAフルデコード

両モデルはMQAのフルデコードに対応しており、高品質なハイレゾ音源を忠実に再現できます。この機能は、ストリーミングサービスで高音質音楽を楽しみたいユーザーに特に適しています。

USBデコードモード:UAC2.0、UAC1.0両対応

USBデコードモードはUAC2.0およびUAC1.0の双方に対応しており、新旧さまざまなUSBオーディオ規格に合わせて使用することができます。互換性の高さが魅力です。

アナログ、デジタル回路を完全に切り離した基板構成による高音質設計

QX13とKA17は、アナログ回路とデジタル回路を完全に分離した基板構成を採用しており、さらに高音質を追求した設計が施されています。これによりクロストークやノイズを最小限に抑え、ピュアなサウンドを提供します。

ボリューム:60段階と120段階を選べるボリュームコントロール

両モデルとも60段階と120段階の2種類のボリューム調整が可能で、細かな音量設定が簡単に行えます。この柔軟性により、さまざまなヘッドホンやイヤホンに合わせた最適な音量を実現します。

温度制御、出力DC制御、最大音量制御による安全設計

温度制御や出力DC制御、最大音量制御といった安全機能を備えており、使用中のトラブルを防止します。安心して使用できる設計もFIIOの魅力です。

デジタル入力端子:USB Type C

デジタル入力にはUSB Type-C端子を採用しており、最新のデバイスとの接続性を確保しています。これにより、幅広い端末に対応する汎用性を発揮します。

アナログ出力:3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスヘッドフォン

アナログ出力では、3.5mmシングルエンド出力と4.4mmバランス出力の両方を備えており、多様な接続が可能です。これにより、様々なヘッドホンやイヤホンを好みに合わせて使用できます。

デジタル出力:3.5mm 4極S/PDIF出力(シングルエンドと排他)

3.5mm 4極S/PDIF出力にも対応しており、デジタルオーディオ信号を外部DACやアンプに出力することが可能です。この機能は、柔軟なシステム構築を可能にします。

「FiiO Control」アプリ対応

専用アプリ「FiiO Control」に対応しており、音質設定や機能カスタマイズが自由に行えます。アプリを活用することで、よりパーソナライズされたオーディオ体験が得られます。

10バンド・パラメトリックEQ搭載(「FiiO Control」アプリで操作可能)

10バンドのパラメトリックEQを搭載しており、「FiiO Control」で操作可能です。この機能を活用することで、個々の楽曲や音楽ジャンルに最適な音色調整が行えます。

PEQ調整はPCM 192kHz/24bitまでのフォーマットで対応

パラメトリックイコライザ(PEQ)はPCM 192kHz/24bitまで対応しており、高解像度音源でも音質を損なうことなく細部を調整することができます。

ミニモバイルバッテリー「E-Stick」にも対応しているので、ポータブルでもパワフルなオーディオ出力を実現

ミニモバイルバッテリーの「E-Stick」に対応しているので、外出時でもポータブルでパワフルなオーディオ出力を実現できます。これにより利便性が大きく向上しています。

専用レザーケース付属

両モデルには専用のレザーケースが付属しており、製品を保護しながら持ち運びの利便性を向上させています。高級感あるデザインも魅力の一つです。

QX13とKA17の違いの簡単なまとめ

FIIOの新フラッグシップモデルQX13は、ESS ES9027PROを使用した高性能なDACチップや900mWの高出力など、多くの面でKA17を上回っています。一方、KA17はTHX AAA-78アンプを搭載し、ポータブル性とコストパフォーマンスが優れている点が特徴です。両製品はハイクラスなポータブルオーディオ体験を提供しつつも、用途や予算に応じた選択肢が異なります。

##FIIO QX13とKA17の違い
###DACチップ:QX13:ESS第2世代フラッグシップ「ES9027PRO」シングルチップ(8チャネル対応、フルバランス設計) 、KA17:デュアル「ES9069Q」チップ採用
###アンプ構成:QX13:TI製「OPA1692」×2 + 「INA1620」×4のマルチオペアンプ構成。KA17:THX AAA-78+ アンプ搭載。TI製「OPA1692」×2
###最大アンプ出力:QX13:デスクトップモード時にバランス出力は最大900 mW出力(KA17比約46 %の出力増) 。KA17:デスクトップモード時にバランス出力は最大650 mW出力
###インテリジェントな出力制御:QX13のみ、高精度のパワーメーターを搭載し、様々なUSB出力機器の電源供給能力を正確に測定することで、ヘッドホンアンプのゲインと出力をインテリジェントに調整
###内部設計・電源回路:QX13:据置型のDAC/ヘッドホンアンプに匹敵する特別設計オーディオ回路を謳う。8チャンネルフルバランス構成、超低ノイズレギュレーター、並列増幅、最適化されたオーディオ回路設計、効率的な放熱処理 。KA17:デジタル/アナログ基板を分離、マルチステージ電源(10レール、3段構成)、安定した電源供給を目指す設計
###消費電力:QX13:QX13世代では出力増加(約46 %)かつ消費電力は23 %削減という高効率設計。KA17:デスクトップモードでアンプ出力UP。消費電力特記なし
###表示・操作系:QX13:1.99インチカラー液晶ディスプレイ、Corning第3世代ガラス、操作は画面下部のボタン。画面テーマ変更可能。KA17:0.91インチのドットマトリックスディスプレイを搭載、側面にボリュームロッカー/セレクタ/デスクトップモードスイッチ
###本体素材・デザイン:QX13:カーボンファイバー(最大21層)またはアルミ合金の2種類。カーボンは軽量で耐ノイズ・耐熱性向上 。KA17:アルミユニボディ、堅牢でクリック感のある操作系、ポータブル性を重視したデザイン
###付属ケースの利便性:QX13のみマグネット式ケースで、マグネット接続対応のスマートフォンや付属のリングマグネットシートを使用する事で、ゴムバンドで束ねていたように画面を邪魔することなく固定が可能に
###サイズ:QX13:約64.2×30.7×13mm、KA17:約64.0mm x 27.7mm x 12.7mm
###重量:QX13:Black:約33.7g、Titanium Gold:約39.2g、KA17:約33.5g
###発表時期・価格帯:QX13:2025年9月12日発売予定、実売価格はブラック約39,600円、チタニウムゴールド約35,860円。KA17:2024年2月発売、実売価格は約26,400円

QX13とKA17に共通の内容の簡単なまとめ

FIIO QX13とKA17はどちらも高性能なオーディオドングルで、独立した給電用USB Type-Cポートを使用した高出力を誇ります。また、最大PCM768kHz/32bit、DSD512ネイティブのデコードや、MQAフルデコードに対応しているため、幅広いオーディオフォーマットで高音質を楽しむことが可能です。さらに、「FiiO Control」アプリによるパラメトリックEQの調整機能など、細かなサウンドカスタマイズも魅力的です。

FIIO QX13とKA17の共通点

##FIIO QX13とKA17の共通点
###高性能オーディオドングル
###独立した給電用USB Type-Cを利用した高出力を実現するデスクトップモード搭載
###高性能かつ低レイテンシーを実現する「XMOS XU316」チップを採用
###最大PCM768kHz/32bitおよびDSD512ネイティブのデコード
###MQAフルデコード
###USBデコードモード:UAC2.0、UAC1.0両対応
###アナログ、デジタル回路を完全に切り離した基板構成による高音質設計
###ボリューム:60段階と120段階を選べるボリュームコントロール
###温度制御、出力DC制御、最大音量制御による安全設計
###デジタル入力端子:USB Type C
###アナログ出力:3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスヘッドフォン
###デジタル出力:3.5mm 4極S/PDIF出力(シングルエンドと排他)
###「FiiO Control」アプリ対応
###10バンド・パラメトリックEQ搭載(「FiiO Control」アプリで操作可能)
###PEQ調整はPCM 192kHz/24bitまでのフォーマットで対応
###ミニモバイルバッテリー「E-Stick」にも対応しているので、ポータブルでもパワフルなオーディオ出力を実現
###専用レザーケース付属

FIIO QX13とKA17 比較表

項目 QX13 KA17
DACチップ ESS ES9027PRO(第2世代フラッグシップ、シングル、8chフルバランス) ESS ES9069Q ×2(デュアル)
アンプ構成 OPA1692 ×2 + INA1620 ×4 THX AAA-78+ アンプ + OPA1692 ×2
最大アンプ出力 デスクトップモード時:バランス最大900mW(KA17比+46%) デスクトップモード時:バランス最大650mW
最大出力 バランス:900mW/32Ω、シングル:310mW/32Ω(いずれもTHD+N<1%、デスクトップモード時) バランス:650mW/32Ω、アンバランス:320mW/16Ω(いずれもTHD+N<1%、デスクトップモード時)
インテリジェント出力制御 高精度パワーメーター搭載でUSB給電能力を測定し、ゲインと出力を自動調整 なし
内部設計・電源回路 据置級の特別設計、8chフルバランス、超低ノイズレギュレーター、並列増幅、放熱最適化 デジタル/アナログ基板分離、10レール×3段のマルチステージ電源
消費電力 出力+46%しつつ消費電力23%削減の高効率設計 特記なし
表示・操作系 1.99インチカラー液晶、Corning第3世代ガラス、画面下部ボタン、テーマ変更可 0.91インチドットマトリックス表示、側面にボリュームロッカー/セレクタ/デスクトップモードスイッチ
本体素材・デザイン カーボンファイバー(最大21層)またはアルミ合金、軽量・耐ノイズ・耐熱性 アルミユニボディ、堅牢・ポータブル重視
付属ケース マグネット式ケース付属、スマホやリングシートで画面を邪魔せず固定可能 ゴムバンド固定方式(従来型)
サイズ 約64.2×30.7×13mm 約64.0×27.7×12.7mm
重量 Black:約33.7g、Titanium Gold:約39.2g 約33.5g
発売時期・価格 2025年9月12日発売予定、ブラック:約39,600円、チタニウムゴールド:約35,860円 2024年2月発売、約26,400円

QX13とKA17の違いによる比較分析

再生音質面

FIIOのドングル型DAC QX13とKA17の再生音質には明確な違いがあります。新フラッグシップモデルのQX13は、ESS製の第2世代フラッグシップDAC「ES9027PRO」を搭載した8チャネルフルバランス設計が特徴で、非常に高い解像度とクリアな音質を誇ります。一方、KA17はデュアル「ES9069Q」チップを採用しており、こちらも優れた音質を提供しますが、DACチップの世代や構成においてQX13に比べやや控えめな設計です。そのため、より詳細で広がりのあるサウンドを求めるユーザーにはQX13が適していると言えるでしょう。

すでに発売されている海外での各種レビューを見ると、とくに高インピーダンスの難物ヘッドホン(開放型や平面型)の駆動において、QX13はデスクトップモードにおいて満足できるレベルという評価が見られます。KA17はデスクトップモードでもこれらの駆動は難しい面があると言われているので、このあたりの使い方では音質面の差が大きくなりそうです。

機能性

QX13は、インテリジェントな出力制御機能を搭載し、接続されたUSB機器の電源供給能力を測定してヘッドホンアンプのゲインを自動調整する高度な設計を採用しています。また、1.99インチのカラー液晶ディスプレイを備え、デザインテーマの変更にも対応しています。一方、KA17は操作がシンプルな0.91インチのドットマトリックスディスプレイを搭載しており、必要最低限の機能にフォーカスしたモデルだと言えます。そのため、より多機能で細かいカスタマイズを求める場合にはQX13が魅力的ですが、軽量かつシンプルさを重視するユーザーにはKA17がおすすめです。

操作性、使い勝手面

QX13は操作性の向上にも力を入れており、画面下部に配置されたボタンやアプリ連携機能を利用して直感的に設定変更が可能です。一方、KA17はボリュームロッカーやセレクタスイッチを備え、直感的な物理操作が特徴的です。QX13は多機能なだけにやや操作が複雑になる場合もありますが、詳細設定を好む上級者には優れた選択肢となります。KA17は、簡単でわかりやすい操作を重視するユーザーに適しています。

携帯性

携帯性については、どちらもコンパクトな設計ですが、重量やサイズ面に若干の違いがあります。QX13はカーボンファイバーやアルミ合金のボディを持ち、耐久性と高級感を兼ね備えていますが、素材による重量差が存在します(カーボンファイバー:33.7g、アルミボディ:39.2g)。一方、KA17はアルミユニボディにより約33.5gと軽量にまとまり、さらにポータブル性を重視したデザインとなっています。頻繁に持ち歩く場合には、KA17のコンパクトさが利便性の面で若干有利だと言えるでしょう。

デザイン性

デザイン性において、QX13は選択可能なボディ素材やカラー液晶ディスプレイによる多彩な表示を特徴とし、非常に洗練された外観を実現しています。一方、KA17はシンプルさを追求したアルミユニボディを採用。堅牢感や実用性に重きを置いたデザインが魅力です。見た目の高級感と個性を求める場合はQX13がおすすめで、ミニマルで実用的なデザインを重視する場合はKA17が適しています。

コストパフォーマンス面

価格面では、QX13の実売価格が約39,600円(ブラックモデルの場合)と、KA17の26,400円と比較して高価格帯に位置します。しかし、QX13はフラッグシップモデルに相応しい音質性能や高機能が搭載されており、価格に見合った価値があります。一方、KA17は手頃な価格でありながらも十分な音質性能を備えており、コストパフォーマンスの高さが特徴です。そのため、予算に余裕があり最高の性能を求める場合はQX13が選択肢となり、価格重視でバランスの良い機能を求める場合はKA17が適しているでしょう。

サウンド体験の違いを分析

音の解像度とクリアさの比較など

FIIOの新フラッグシップモデル「QX13」と、従来の人気モデル「KA17」の間には、音の解像度やクリアさにおいて明確な違いがあります。

QX13はESS製の第2世代フラッグシップDACチップ「ES9027PRO」を採用しており、8チャネル対応のフルバランス設計が音の緻密さを向上させ、高度なオーディオ信号処理を実現しています。その一方でKA17はデュアル「ES9069Q」チップを搭載し、上位モデルに比べると音の情報量や解像度にやや劣るものの、日常的な利用に最適なバランスとコストパフォーマンスを兼ね備えています。

QX13は特に楽曲内の細かな楽器の音やボーカルのニュアンスを繊細に再現することが得意で、ハイエンドオーディオユーザーにとって理想的な選択肢となるでしょう。一方、KA17はカジュアルなリスニング用途に向いており、少し太めで厚みのあるサウンドが特徴です。

低音の迫力と高域の伸びなど

低音の迫力においては、QX13がKA17を上回ります。QX13はTI製のオペアンプ「OPA1692」を2基と、「INA1620」を4基搭載するマルチオペアンプ構成を採用しており、低域の締まりや深みのある迫力を際立たせています。音域全体にわたって安定したバランスが確保され、高域も伸びやかで繊細な響きを表現します。

一方、KA17はTHX AAA-78アンプを搭載し、低域のパワフルな出力を生み出しますが、極端に低い周波数帯や超高域においてはQX13ほどの解像感は期待できません。

それぞれ特化した性能が異なるため、QX13はクラシックやジャズなど繊細なサウンドを求めるリスナーに適しており、KA17はポップスやEDMのようなリズミカルで躍動感ある音楽にフィットするのではないでしょうか。

ジャンル別の適正サウンド評価は?

QX13は高い音の解像度とクリアさ、さらに広いダイナミックレンジを活かし、クラシックやオーケストラ、アコースティック調の楽曲に非常に適しています。また、ボーカル中心の楽曲でも細やかな表現力を発揮し、シンガーの息遣いや感情までリアルに再現します。

一方、KA17は厚みのあるサウンドが特長で、ロックやEDM、ヒップホップなどのビート感を重視したジャンルでその力を発揮します。特に低音が際立つ楽曲では、そのパワーを活かして圧倒的な迫力で音楽を楽しむことができるでしょう。

どちらのモデルもFIIOならではの高性能DACにより、さまざまなジャンルに対応可能ですが、用途やリスナーの嗜好に応じて選択肢が分かれる点が特徴的です。

以上の音質の違いは、使用するヘッドホン(とくにハイインピーダンスのもの)によって、よりQX13が有利になるであろうことにも留意してください。

QX13が優れている点のまとめ(箇条書き)

– ESS社の第2世代フラッグシップDAC「ES9027PRO」をシングルチップで搭載し、8チャンネルフルバランス設計により、デスクトップDAC並みの高音質を実現しています。
– 最大900mWの出力を誇り、従来機KA17に比べ約46%の出力増加を達成しており、ハイインピーダンスヘッドホンでも余裕のあるドライブが可能です。
– 消費電力をKA17と比較して約23%削減しており、高出力と低消費電力を両立する効率的な設計が特徴です。 – 1.99インチのカラー液晶ディスプレイを搭載しており、画面操作やテーマ変更が可能で視認性とカスタマイズ性が向上しています。
– 高精度パワーメーターを内蔵し、USB接続機器の電源供給能力を測定して出力を最適化するインテリジェント制御機能を備えています。
– カーボンファイバーやアルミ合金といった高品質な筐体素材により、耐久性を確保しつつ軽量でノイズや熱の発生を抑える設計になっています。
– 専用のマグネット式ケースが付属し、スマートフォンに簡単に装着できる利便性が提供されており、ポータブル性が向上しています。
– ハイエンド性にもかかわらず、コストパフォーマンスの良い価格帯で提供されており、フラッグシップの性能を手の届く価格で入手可能です。

KA17のメリットは?(箇条書き)

FIIO KA17は、コストパフォーマンスと利便性に優れたドングル型DACとして、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢です。そのメリットを以下にまとめてご紹介します。

  • コストパフォーマンスの高さ:26,400円前後の価格帯でありながら、優れた音質と機能性を提供。予算を抑えたいユーザーに最適です。
  • THX AAA-78アンプ搭載:低歪みと高い再生能力を特徴とするアンプ技術により、クリアでバランスの取れたサウンドが楽しめます。
  • 簡便な操作性:側面のボリュームロッカーやセレクタースイッチにより、直感的でストレスのない操作が可能です。
  • ポータブル性:軽量でコンパクトなデザインが持ち運びのしやすさを実現し、日常的な利用に適しています。
  • アルミニウムユニボディ:堅牢な筐体設計により耐久性が高く、外部衝撃にも強い仕様です。
  • 優れたオーディオ性能:デュアルES9069Q DACとXMOS XU316チップの採用で、PCM768kHz/32bitやDSD512ネイティブデコードを軽々とこなし、臨場感のある再生を実現します。
  • デスクトップモード対応:独立した給電用USB Type Cポートにより、デスクトップ環境でも高出力を発揮できる設計になっています。
  • 専用レザーケース付属:製品保護と携帯性を高める専用ケースが付属しており、利便性が向上しています。
  • デザインと持ちやすさ:クリック感のある操作系と端正なデザインが魅力で、ポータブルオーディオとしての使用感をさらに向上させます。

KA17は、高品質なサウンドとポータブル性を求める一方でコストを抑えたいユーザーに特におすすめの製品です。FIIOの最新フラッグシップモデルであるQX13との差別化が図られながら、KA17ならではの魅力が十分に詰め込まれています。

どちらがどうおすすめ

QX13がおすすめのユーザー

  • FIIO最高レベルのドングル音質を求めるポータブルオーディオマニアの方。
  • 据え置きDAC/アンプ並みの性能をポータブルで楽しみたい方。
  • ESS第2世代フラッグシップDAC「ES9027PRO」の性能を体感したい方。
  • 高精度な出力制御を活用し、幅広いヘッドホンや機器を使いたい方。
  • 視覚的にも操作的にも便利なカラー液晶ディスプレイを重視する方。
  • プレミアム感のある素材やデザインを求める方(特にカーボンファイバーやアルミニウムの仕上げ)。
  • 最大900mWの高出力を活かし、パワフルな音楽体験を楽しみたい方(とくにハイインピーダンスや平面駆動のヘッドホンを使う方)。
  • 最新のテクノロジーを駆使した省電力設計を重要視する方。

KA17がおすすめのユーザー

  • 手ごろな価格でFIIO製品ドングルDACを試してみたい方。
  • ポータブル用途での音質向上を目指す方。
  • デュアル「ES9069Q」DACチップを用いたバランスの良い音を求める方。
  • 900mW出力までは必要なく、650mW出力で十分だと感じる方。
  • シンプルで使いやすいデザインとコンパクトなサイズを重視する方。
  • デスクトップモードやTHX AAA-78アンプ搭載の技術を活用したい方。
  • クロスプラットフォームで使えるユニバーサルなモデルを探している方。
  • 独立した給電で安定した音質を楽しみたい方。

まとめ

FIIOの新フラッグシップとして位置付けられる「QX13」は、高性能なDACチップ「ES9027PRO」や洗練された電源設計、1.99インチカラー液晶ディスプレイなど、据置型DACにも匹敵する性能と機能をポータブルサイズに凝縮した革新的な製品です。一方、従来モデルのKA17は手ごろな価格でありながら十分に高い音質を提供し、ポータブルオーディオ市場で多くの支持を受けてきた製品といえます。

QX13は優れた音質を追求しつつ、消費電力を抑えた高効率設計やカーボンファイバー素材の採用により、ポータブル利用においても利便性が増しています。一方、KA17はアルミユニボディを用いた耐久性の高いデザインと、THXアンプを活かした豊かなサウンドが特徴で、コストパフォーマンスの良さも魅力です。

「QX13」と「KA17」は、それぞれ異なるユーザー層や用途に応じた製品として位置付けられます。最高峰のポータブルオーディオ体験を求める方にはQX13、価格と性能のバランスが取れたエントリーポイントとしてKA17が選ばれることでしょう。FIIOの豊富な製品ラインナップによって、自分に最適なオーディオ環境をぜひ見つけてください!

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