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FIIO K17とK15を比較しての違いは?

DAC

FIIOのDAC複合機・K17と下位モデルのK15を比較しての違いを解説。上位モデルの有利点や下位モデルのメリットなどのポイントなどをわかりやすく解説します。両機の選び分けについても考察。

はじめに

FIIOは高品質なオーディオ機器を提供する中国発のブランドで、特に20万円以内のDAC複合機の分野ではユーザーの評価が高いです。本記事では、FIIOのデスクトップDAC複合機「K17」とその下位モデルである「K15」を比較し、それらの違いを徹底解説します。K17は、K9PROシリーズの後継機として位置づけられ、高性能なDACチップやパワフルなアンプ性能を持つフラッグシップモデルです。一方でK15は、FIIOの品質を維持しつつコストパフォーマンスに優れた選択肢としてデザインされています。

本記事では両モデルのスペックや機能、さらには音質や操作性の違いを細かく紐解き、多様なニーズに応じた最適な選択肢を探ることを目的とします。FIIOのDAC製品に興味をお持ちの方にとって、K17とK15の徹底比較を基に、最適な製品選びをサポートします!

FIIO K17とK15の概要

K17の概要と主なスペック

FIIOのDAC複合機「K17」は、FIIOが2025年に投入したフラッグシップモデルです。同製品は、AKM製のフラッグシップDAC構成「AK4191EQ+AK4499EX×2」を搭載し、オーディオ愛好家向けに設計されています。また、最大出力4000mW(32Ωバランス)という強力なヘッドホンアンプを備え、高音質再生を実現しています。特徴的なのは、31バンドの高精度ロスレスPEQ機能で、詳細な音質調整が可能なことです。

接続性にも優れ、Wi-Fi、イーサネット、Bluetooth 5.1(aptX HD、LDAC対応)など幅広いオプションを提供。さらにデスクトップシリーズならではのレトロでシックなデザインと、3.93インチLCDタッチディスプレイを採用することで視覚的にも高級感をアピールしています。市場想定価格は約165,000円(税込)で、FIIOブランドの戦略モデルとして注目されています。

K15の概要と主なスペック

反対に、FIIOのDAC複合機「K15」は、K17の下位モデルとして位置づけられる製品です。K15のDACチップ構成にはAK4497S×2が初採用されており、FIIOのデスクトップシリーズとして優れた音質を提供します。ヘッドホンアンプ部分は最大3000mW(32Ωバランス)の出力を持ち、多くのヘッドホン・イヤホンに対応可能です。

K15の特筆すべき点として、DC/ACデュアル電源設計を備えており、コストパフォーマンスを重視した仕様になっています。10バンドの高精度ロスレスPEQ機能が搭載されているため、音質調整も可能ながら、K17ほど細かい設定ができるわけではありません。その一方で、ROON Readyに対応しており、ネットワークオーディオ機能の便利さを提供します。価格は約98,800円(税込)と、K17の半額近くであり、FIIO製品を手軽に試したいユーザーに適しています。

共通点:FIIOブランドが持つ設計理念

FIIOのK17とK15はどちらもFIIOブランドの設計理念を反映した製品です。高品質な部品を積極的に採用し、デジタルとアナログを完全に分離した回路設計を採用しています。特にACCUSILICON製のフェムトクロックや、ニチコン・ELNAなどの高級パーツを使用しており、細部まで音質へのこだわりが詰まっています。

また、どちらの製品もDAC複合機として、USB、Bluetooth、同軸入力/出力、光入力など幅広い接続形式をサポートし、AirPlayやUSBストレージでのローカル再生に対応しています。このような点は、FIIOが常にユーザー体験を重視して製品を設計していることを示しています。

主な性能差:DACチップとアンプ性能の比較など

K17とK15の最も大きな違いは、搭載されるDACチップやアンプの性能です。K17の「AK4499EX×2」によるフラッグシップクラスのDAC構成は、高解像度とクリアな音質を実現します。一方、K15は「AK4497S×2」を使用することで、コストを抑えつつも十分なオーディオ性能を提供しています。

また、アンプ性能についても差異があります。K17は最大出力4000mW(32Ωバランス出力)を持つフルディスクリートAB級アンプを搭載。一方、K15は最大3000mW(32Ωバランス出力)で、一段性能が抑えられていますが、日常使用には十分対応可能です。この差異は特に高インピーダンスのヘッドホンを使用する際に影響が大きいです。

価格帯とターゲットユーザー

K17は165,000円程度という高価格帯に位置し、上位志向のオーディオファンやプロフェッショナルなリスニング環境を求めるユーザーに最適です。性能や質感が高く、多機能かつ細部の調整が可能な点で、ハイエンドオーディオの領域を狙った製品といえるでしょう。

対して、K15は約98,800円と手頃な価格設定で、FIIOブランドやデスクトップシリーズを求めるエントリーユーザーや、中級者層をターゲットとしています。ROON Ready対応などによる利便性や基本性能の充実ぶりを考えれば、コストパフォーマンスに長けた選択肢と言えます。

FIIO K17とK15の違い

DACチップの違い:K17:AKMフラッグシップ・セパレートDACシステム「AK4191EQ+AK4499EX×2」、K15:AK4497S×2(FIIO初採用)

FIIO K17とK15は、搭載されているDACチップに明確な違いがあります。K17は、AKM社のフラッグシップDACシステムである「AK4191EQ」と「AK4499EX×2」を採用しています。このセパレートDAC設計により、より高精度かつ広範囲な音の再現性が特徴です。一方、K15はFIIOとして初めて「AK4497S×2」を搭載しており、シンプルながらも優れたコストパフォーマンスを実現しています。音質重視のK17と、性能とコストのバランスを考えたK15という違いが現れています。

DSP・演算処理の違い:K17:CEVA社製 DSP「M21586Q」搭載、64bit倍精度浮動小数点演算、360MHz駆動、K15:DSPに関する特別な記載なし

K17にはCEVA社製のDSP「M21586Q」が搭載されており、64bit倍精度浮動小数点演算に対応しています。この高性能DSPにより、より複雑で精密な信号処理が可能です。一方で、K15にはDSPに関して特別な記載がなく、オーディオ信号処理性能の違いがここに現れています。複雑な音響処理能力に関心があるユーザーにはK17が向いています。

クロックの違い:K17:ACCUSILICON製フェムトクロック×3基、K15:ACCUSILICON製フェムトクロック×2基

K17は、ACCUSILICON製のフェムトクロックを3基搭載しており、より正確なタイミングでのデジタル信号処理を実現します。一方、K15では2基のフェムトクロックを採用しており、コストを抑えながら実用性を重視しています。この明確な違いにより、再生精度や解像度にわずかな差が感じられることがあります。

ヘッドホンアンプの違い:K17:フルディスクリートAB級、Onsemi「MJE243/253」採用、最大出力4000mW(32Ωバランス)、K15:ディスクリートAB級、Onsemi「MJE243G/253G」、最大出力3000mW(32Ωバランス)

K17では「フルディスクリートAB級アンプ」を採用し、最大出力が4000mW(32Ωバランス)に達します。これは大口径ヘッドホンでも余裕を持ってドライブ可能な性能です。対するK15は、ディスクリートAB級アンプを採用しており、最大出力は3000mW(32Ωバランス)となっています。これでも十分な性能ですが、さらなる高出力を求める場合にはK17が適しています。

ヘッドホンアンプ出力の違い(比較)、K17:バランス4000mW(32Ω)、950mW(300Ω)/アンバランス1850mW(32Ω)、240mW(300Ω)、K15:バランス3000mW(32Ω)、700mW(300Ω)/アンバランス1400mW(32Ω)、180mW(300Ω)

ヘッドホンアンプの出力は、K17がK15よりも全体的に高い性能を持っています。特にバランス出力では、K17が最大4000mW(32Ω)であるのに対してK15は3000mW(32Ω)となっており、高インピーダンスのヘッドホンを利用する場合にはK17が優位です。この差は、ハイエンドユーザーにとって重要なポイントとなるでしょう。

EQ機能の違い:K17:31バンドの高精度ロスレスPEQ、K15:10バンドの高精度ロスレスPEQ

音質調整機能において、K17には31バンドの高精度ロスレスPEQが搭載されています。これにより、より詳細で個別の調整が可能です。一方、K15は10バンドのPEQを採用しており、シンプルな使い勝手を重視しています。精密な音質調整を必要とする場合には、K17が非常に適しています。

音響部品・電源設計の違い:K17:35W低ノイズリニア電源、ニチコン×4、ELNA MILIC II×4、ELNA RA3×6、パナソニックフィルムコンデンサ×8、高品質ベリリウム固体コンデンサ、銀メッキOFCケーブル×4セット、K15:DC/ACデュアル電源、ニチコン3300uF×2、ELNA MILIC II×4、ELNA RA3×8、ルビーフィルムコンデンサ×8、ベリルコンデンサ、銀メッキOFCケーブル×4セット

音響部品や電源設計も、K17とK15で違いがみられます。K17は35Wの低ノイズリニア電源を採用しており、高品質な部品群によるサポートで、オーディオの再生精度に力を入れています。一方、K15はDC/ACデュアル電源設計で、コストパフォーマンスを重視した設計です。この差は音質においても影響を及ぼします。

ネットワーク・再生機能の違い:K17:ROON Readyの記載なし、K15:ROON Ready対応

ネットワーク機能については、K17にはROON Readyの記載がない一方で、K15はROON Readyに対応しています。この点において、よりネットワーク再生機能を重視するユーザーにはK15が向いている可能性があります。

周波数応答の違い:K17:20Hz~90kHz(<3dB)、K15:20Hz~80kHz(<2.8dB)

K17は周波数応答が20Hzから90kHz(<3dB)と広い範囲に対応しており、特に高域での表現力が向上しています。対して、K15は20Hzから80kHz(<2.8dB)対応で、やや広帯域性に劣るものの、十分な性能を有しています。

S/N比の違い:K17:124dB以上、K15:120dB以上

K17はS/N比が124dB以上と非常に高く、背景ノイズが少なくクリアな音源再生が可能です。一方、K15はS/N比が120dB以上で、実用上は十分な性能を持ちながらも、K17と比較するとわずかに劣ります。

重量の違い:K17:約2750g、K15:約2100g

K17は約2750gと重く、その内部構造や搭載部品のクオリティが影響しています。K15は約2100gで、軽量でコンパクトな設計となっています。持ち運びの利便性や設置環境に合わせた選択が求められます。

価格の違い(参考):K17:約164,000円、K15:約98,800円

K17の価格は約164,000円、K15は約98,800円と、大きな価格差があります。K17はハイエンド志向、K15はコストパフォーマンス重視という違いが価格にも反映されています。

FIIO K17とK15の共通点

DAC複合機(DAC+ヘッドホンアンプ+ネットワーク機能搭載)

FIIO K17とK15はいずれもDAC複合機として設計されており、DAC機能、ヘッドホンアンプ機能、そしてネットワーク機能を1台に搭載しています。この設計により、複数のデバイスを接続せずとも高音質なオーディオ体験が可能です。

ヘッドホンアンプ:ディスクリートAB級アンプ採用

両機種ともディスクリート構成のAB級ヘッドホンアンプを搭載しています。高解像度かつ自然な音質を追求し、FIIOならではの音響設計が反映されています。

フルバランスオーディオ回路構成

FIIO K17とK15は共にフルバランス構造になっています。この設計により、音質を損なうことなく高い左右分離感と低歪みを実現しています。

USBレシーバーチップ:XMOS XU316 採用

USB入力部には、高性能で知られる XMOS XU316 チップを採用。これにより、より高品質なオーディオフォーマットの処理が可能になり、接続性や安定性が向上しています。

USB入力対応フォーマット:PCM768kHz/32bit、DSD512 (Native)、MQAフルデコード対応

どちらのモデルも広範囲なフォーマットに対応しており、ハイレゾ音源やMQA(Master Quality Authenticated)のフルデコードに対応しています。これにより、より原音に忠実な再生が可能です。

同軸入出力:RCA同軸、PCM192kHz/24bit、DSD64対応

FIIO K17およびK15は、RCA同軸入出力に対応しています。最大192kHz/24bitのPCMフォーマットとDSD64音源の再生がサポートされており、外部機器との接続が柔軟に行えます。

光入力:TOSリンク、PCM96kHz/24bit対応

光入力にはTOSリンク端子を採用しており、最大96kHz/24bitのPCMフォーマットに対応しています。これにより、テレビやゲーム機など様々な機器に対応可能です。

ローカル再生:USB外部ストレージ対応、PCM384kHz/32bit、DSD256対応

外部ストレージ経由でのローカル再生に対応しており、PCM384kHz/32bitやDSD256といった高解像度音源に対応しています。これにより、ストリーミングサービスを使わずにローカル再生での高音質なリスニング環境を構築できます。

ストリーミング再生:AirPlay対応、PCM384kHz/32bit、DSD256 (DoP) 対応

AirPlayに対応しているため、ワイヤレスでiOSデバイスなどと簡単に接続できます。また、PCM384kHz/32bitやDSD256(DoP方式)にも対応し、ストリーミング再生時にも高音質を楽しむことが可能です。

Bluetooth SoC:QCC5125(Bluetooth 5.1対応)

FIIO K17とK15は、QualcommのBluetooth SoC「QCC5125」を採用。Bluetooth 5.1に対応しており、高音質かつ安定したワイヤレス接続が可能です。

Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX LL、aptX HD、aptX Adaptive、LDAC

Bluetooth経由での接続では、LDACやaptX Adaptiveなど、幅広い高音質コーデックに対応しています。これにより、高解像度音源に近い音質でワイヤレス再生を楽しむことができます。

ライン入力:シングルエンド入力(RCA)、バランス入力(4.4mm)

ライン入力にはシングルエンド(RCA)とバランス(4.4mm)に対応しており、さまざまな外部機器を接続することが可能です。

ライン出力:RCA+XLR両対応

ライン出力はRCAとXLRの両方に対応しており、外部スピーカーやアンプとの接続の柔軟性が高くなっています。

内部構造:電源部・デジタル部・アナログ部を独立配置

内部構造は電源部、デジタル部、アナログ部が物理的に独立配置されています。この設計により、ノイズ干渉を最小限に抑え、より澄んだ音質を実現しています。

電源設計:多段アナログ電源+独立電源セクション採用

多段アナログ電源を採用することで安定した電力供給が実現され、さらに独立した電源セクションが搭載されているため、他回路へのノイズ干渉を防ぎます。

フェムト・クロック:ACCUSILICON製を搭載(K17は3基、K15は2基)

高精度クロックとしてACCUSILICON製フェムトクロックが搭載されており、どちらも高精度なデジタル信号処理が可能です。なお、K17では3基搭載され、より正確なクロック管理が行えます。

高品質パーツ採用:ニチコン、ELNA、フィルムコンデンサ、ベリリウムコンデンサ、銀メッキOFCケーブルなど

FIIO K17とK15は、高品質なパーツを惜しみなく採用し、音質の向上に寄与しています。ニチコンやELNAといった著名な部品メーカーのコンデンサを採用している点が特徴です。

マルチコア制御:高性能プロセッサー X2000、低消費電力MCU ESP32-S3

マルチコア制御に対応することで高いレスポンスを保ちつつ、低消費電力を実現するMCU ESP32-S3を搭載しています。そのため操作性も快適です。

ディスプレイ:3.93インチLCDタッチスクリーン

3.93インチのタッチスクリーンディスプレイを搭載。操作性だけではなく、視認性にも優れています。

操作系:5つの独立したコントロールノブ

本体には5つの独立したコントロールノブがあり、直感的な操作が可能です。視覚的に情報を確認しながら、各機能を簡単に調整できます。

ネットワーク:有線LAN対応(ギガビットイーサネット)

有線LAN(ギガビットイーサネット)対応により、安定したネットワーク接続が可能。高解像度音源ストリーミングにも最適です。

デザイン:四角と円を融合させた筐体デザイン

四角形と円形を融合させた筐体デザインが特徴で、シンプルかつ洗練された外観が目を引きます。

付属品:リモコン

リモコンが付属しており、離れた場所からでも操作可能です。利便性が大きく向上しています。

サイズ:244.6 × 213 × 66.8mm(共通)

筐体のサイズは両製品ともに共通で、244.6mm×213mm×66.8mmとなっています。コンパクトながらも機能性を備えたサイズ設計です。

K17とK15の違いのまとめ

FIIOのDAC複合機K17は、上位モデルとしてK15と比較すると、DACチップやアンプ出力、EQバンド数、電源設計、フェムトクロック基数、内部部品グレードで優位性を持っています。その分価格も高く、オーディオ志向の強いユーザー向けの選択肢です。一方、K15は機能を絞ったコストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。

##FIIO K17とK15の違い

###DACチップの違い:K17:AKMフラッグシップ・セパレートDACシステム「AK4191EQ+AK4499EX×2」、K15:AK4497S×2(FIIO初採用)

###DSP・演算処理の違い:K17:CEVA社製 DSP「M21586Q」搭載、64bit倍精度浮動小数点演算、360MHz駆動、K15:DSPに関する特別な記載なし

###クロックの違い:K17:ACCUSILICON製フェムトクロック×3基、K15:ACCUSILICON製フェムトクロック×2基

###ヘッドホンアンプの違い:K17:フルディスクリートAB級、Onsemi「MJE243/253」採用、最大出力4000mW(32Ωバランス)、K15:ディスクリートAB級、Onsemi「MJE243G/253G」、最大出力3000mW(32Ωバランス)

###ヘッドホンアンプ出力の違い(比較)、K17:バランス4000mW(32Ω)、950mW(300Ω)/アンバランス1850mW(32Ω)、240mW(300Ω)、K15:バランス3000mW(32Ω)、700mW(300Ω)/アンバランス1400mW(32Ω)、180mW(300Ω)

###EQ機能の違い:K17:31バンドの高精度ロスレスPEQ、K15:10バンドの高精度ロスレスPEQ

###音響部品・電源設計の違い:K17:35W低ノイズリニア電源、ニチコン×4、ELNA MILIC II×4、ELNA RA3×6、パナソニックフィルムコンデンサ×8、高品質ベリリウム固体コンデンサ、銀メッキOFCケーブル×4セット、K15:DC/ACデュアル電源、ニチコン3300uF×2、ELNA MILIC II×4、ELNA RA3×8、ルビーフィルムコンデンサ×8、ベリルコンデンサ、銀メッキOFCケーブル×4セット

###ネットワーク・再生機能の違い:K17:ROON Readyの記載なし、K15:ROON Ready対応

###周波数応答の違い:K17:20Hz~90kHz(&lt;3dB)、K15:20Hz~80kHz(&lt;2.8dB)

###S/N比の違い:K17:124dB以上、K15:120dB以上

###重量の違い:K17:約2750g、K15:約2100g

###価格の違い(参考):K17:約164,000円、K15:約98,800円

K17とK15に共通の内容のまとめ

FIIOのDAC複合機であるK17とK15は、どちらも完全バランス設計やディスクリートAB級アンプを採用した高性能デスクトップオーディオシステムです。高いS/N比や幅広い接続性、Bluetooth対応オーディオコーデックを備える点が特徴で、FIIOブランドならではの音響技術と品質の高さを感じられます。さらに、どちらも多機能で柔軟性があり、様々な環境で上質な音響体験を提供します。

##FIIO K17とK15の共通点

###DAC複合機(DAC+ヘッドホンアンプ+ネットワーク機能搭載)

###ヘッドホンアンプ:ディスクリートAB級アンプ採用

###フルバランスオーディオ回路構成

###USBレシーバーチップ:XMOS XU316 採用

###USB入力対応フォーマット:PCM768kHz/32bit、DSD512 (Native)、MQAフルデコード対応

###同軸入出力:RCA同軸、PCM192kHz/24bit、DSD64対応

###光入力:TOSリンク、PCM96kHz/24bit対応

###ローカル再生:USB外部ストレージ対応、PCM384kHz/32bit、DSD256対応

###ストリーミング再生:AirPlay対応、PCM384kHz/32bit、DSD256 (DoP) 対応

###Bluetooth SoC:QCC5125(Bluetooth 5.1対応)

###Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX LL、aptX HD、aptX Adaptive、LDAC

###ライン入力:シングルエンド入力(RCA)、バランス入力(4.4mm)

###ライン出力:RCA+XLR両対応

###内部構造:電源部・デジタル部・アナログ部を独立配置

###電源設計:多段アナログ電源+独立電源セクション採用

###フェムト・クロック:ACCUSILICON製を搭載(K17は3基、K15は2基)

###高品質パーツ採用:ニチコン、ELNA、フィルムコンデンサ、ベリリウムコンデンサ、銀メッキOFCケーブルなど

###マルチコア制御:高性能プロセッサー X2000、低消費電力MCU ESP32-S3

###ディスプレイ:3.93インチLCDタッチスクリーン

###操作系:5つの独立したコントロールノブ

安全保護機能:ヘッドホンアンプ温度保護、トランス温度保護、出力過負荷保護、出力DC保護、電源過電流保護

###ネットワーク:有線LAN対応(ギガビットイーサネット)

###デザイン:四角と円を融合させた筐体デザイン

###付属品:リモコン

###サイズ:244.6 × 213 × 66.8mm(共通)

FIIO K17 vs K15 比較表

項目 FIIO K17 FIIO K15
DAC構成 AK4191EQ + AK4499EX×2(フラッグシップ・セパレートDACシステム) AK4497S×2(FIIO初採用)
DSP/演算処理 CEVA社 DSP M21586Q(64bit倍精度演算、360MHz)、31バンドPEQ DSP専用記載なし、10バンドPEQ
クロック ACCUSILICON製フェムトクロック×3基 ACCUSILICON製フェムトクロック×2基
ヘッドホンアンプ フルディスクリートAB級、Onsemi MJE243/253 ディスクリートAB級、Onsemi MJE243G/253G
最大出力(32Ω) バランス:4000mW/アンバランス:1850mW バランス:3000mW/アンバランス:1400mW
最大出力(300Ω) バランス:950mW/アンバランス:240mW バランス:700mW/アンバランス:180mW
ライン出力 RCA 2.5Vrms/XLR 5Vrms RCA 2.4Vrms/XLR 4.8Vrms
周波数応答 20Hz〜90kHz (<3dB) 20Hz〜80kHz (<2.8dB)
S/N比 ≥124dB ≥120dB
ノイズフロア <7.9μV <9.5μV
THD+N <0.00049% <0.00059%
入出力対応 USB / 光 / 同軸 / RCA / 4.4mm / Bluetooth 5.1 / AirPlay / ローカル再生 USB / 光 / 同軸 / RCA / 4.4mm / Bluetooth 5.1 / AirPlay / Roon Ready / ローカル再生
USBレシーバー XMOS XU316 XMOS XU316
Bluetooth SoC QCC5125(SBC/AAC/aptX系/LDAC対応) QCC5125(SBC/AAC/aptX系/LDAC対応)
電源設計 35W低ノイズリニア電源、大容量電解コンデンサ×5 DC/ACデュアル電源、ニチコン3300μF×2
クロック精度 超低位相ノイズフェムトクロック×3基 フェムトクロック×2基
内部基板設計 デジタル部・アナログ部完全分離 デジタル部・アナログ部独立配置
ディスプレイ/操作 3.93インチLCDタッチスクリーン+5ノブ 3.93インチLCDタッチスクリーン+5ノブ
リモコン 付属 付属
プロセッサ X2000+ESP32-S3 X2000+ESP32-S3
サイズ 約244.6×213×66.8mm 約244.6×213×66.8mm
重量 約2750g 約2100g
価格(参考) 約164,000円 約98,800円

👉 まとめると、K17はK15の完全上位機種であり、DAC構成・DSP性能・出力・電源設計・パーツグレードが強化されています。一方で K15は価格が抑えめでROON Ready対応 という点で差別化されています。

K17とK15の違いによる比較分析

再生音質面

FIIOのDAC複合機であるK17とK15を比較すると、再生音質に明確な差があります。K17はAKM製のフラッグシップDAC「AK4191EQ」と「AK4499EX×2」を搭載しており、特に高解像度なサウンド再現性が特徴です。一方、K15は「AK4497S×2」を初採用しており、こちらも優れた音質を提供しますが、解像感や細部の表現力ではややK17に劣ります。また、K17は最大4000mW(32Ω)の出力を持つフルディスクリートAB級アンプを搭載しており、ダイナミックで押し出し感のあるサウンドを実現しています。K15は最大3000mW(32Ω)の出力で十分な性能を備えていますが、パワフルな音楽体験という点ではK17が一歩リードしています。

機能性(Roon Readyの有無など)

K17とK15の機能面での違いとして注目すべき点は、Roon Ready対応の有無です。K15はRoon Readyに対応しており、高音質ストリーミングやネットワークオーディオ環境との連携がスムーズです。これに対し、K17はRoon Readyには非対応ですが、Wi-FiやBluetooth 5.1、USB、イーサネットなどの接続オプションを多数備えており、柔軟な接続環境が整っています。特にRoonを使用しないユーザーや、他の接続手段で音楽を楽しむユーザーにとってはK17も非常に魅力的なモデルとなっています。

音質調整機能面(EQ)

K17とK15の音質調整機能(EQ)の違いも非常に大きなポイントです。K17は31バンドの高精度ロスレスPEQを搭載しており、微細な周波数帯域の調整が可能なため、ユーザーの好みに合わせたきめ細かな音質設定が可能です。一方、K15は10バンドの高精度ロスレスPEQを採用しており、必要十分な調整が可能ですが、より精密な音質のカスタマイズを求めるユーザーにはK17が適しています。そのため、音楽ジャンルやヘッドホンの特性によってEQを細かく調整したい場合には、K17の方がより優れた選択肢と言えます。

操作性、使い勝手面

操作性という面では、K17とK15ともに3.93インチのタッチスクリーンを搭載しており視認性と直感的な操作が可能です。しかし、K17はタッチ操作のレスポンスやインターフェースの洗練度がわずかに高いと評価されています。また、K17は黄色バックライトを採用しており、視覚的な快適さを追求しています。加えて、ネットワーク機能や複数の接続オプションを活用する際のUI設計がさらに充実しているため、総合的な使い勝手ではK17が優位性を持っています。

コストパフォーマンス面

K17とK15の価格差は大きいですが、それぞれのコストパフォーマンスを考えた場合、ユーザーのニーズによって評価が分かれます。高性能なDACチップやカスタマイズ可能なEQ機能、拡張性の高い接続オプションをフルに活用したいユーザーにとっては、K17の価格に見合った価値があります。

一方で、K15は価格が約98,800円(参考値)とリーズナブルながら、基本性能としては十分なDACとアンプ性能を備えており、FIIOのデスクトップシリーズとして最適なエントリーモデルとなっています。コストパフォーマンスを重視するユーザーにはK15が特に推奨されるでしょう。

サウンド体験の違いを分析

音の解像度とクリアさの比較など

FIIOのDAC複合機K17とK15では、音の解像度とクリアさに明確な違いが見られるでしょう。K17は、AKM製のフラッグシップDAC構成である「AK4191EQ+AK4499EX×2」を採用しており、より高い音の分離感と広がりを実現しています。

一方で、K15は「AK4497S×2」のDACを採用しており、K17に比べると解像感はやや控えめながらも、自然で温かみのあるサウンドが特徴のようです。特にクラシックやジャズの細かなニュアンスを表現したい場合には、K17の優れたクリアさが際立ちますが、ポップスやボーカル重視の楽曲ではK15も十分なパフォーマンスを発揮します。

低音の迫力と高域の伸びなど

K17は最大出力4000mW(32Ωバランス)の高性能なAB級アンプと3基のフェムトクロックを搭載しており、低音の迫力と高域の繊細な伸びにおいて優れた性能を発揮します。低音は力強く深みがあり、高域はクリアで音場が立体的に感じられる仕様です。

一方で、K15の最大出力3000mW(32Ωバランス)はK17に比べてやや抑えられたものの、バランスの取れた低音と高域を表現できるでしょう。K15では、あるいは高域の伸びに若干の制約が感じられるものの、落ち着いたサウンドを楽しみたいユーザーにとっては十分な性能です。

ジャンル別の適正サウンド評価は?

K17は、ロックやEDMなどのダイナミックなサウンドを求めるジャンルに適しており、特に広い音場と緻密な音の分離能力が高く評価されています。一方、K15は、ボーカル主体の楽曲やアコースティック系のジャンルにも適しており、音楽全体をリラックスした雰囲気で楽しむことができそうです。

また、K17の31バンドの高精度ロスレスPEQは、多種多様なジャンルに合わせて細かく音を調整できる点が魅力的です。対して、K15の10バンドPEQはシンプルながらも十分な機能を持ち、手軽に音質調整を楽しむことができます。

K17が優れている点のまとめ(箇条書き)

  • AKM製フラッグシップDAC構成「AK4191EQ+AK4499EX×2」を搭載し、FIIOのDAC複合機シリーズの中でも最高水準の音質を提供します。
  • 31バンドの高精度ロスレスPEQ機能を搭載しており、音質調整の自由度が他モデルを大きく上回ります。
  • 最大出力はバランス接続時に4000mW(32Ω)と強力で、ハイインピーダンスや平面駆動などの鳴らしにくいヘッドフォンにも余裕を持って対応可能です。
  • デジタル・アナログ完全独立構造や35W低ノイズリニア電源を採用し、FIIO DACの特徴であるノイズレスな音質を実現しています。
  • 3基のACCUSILICON製フェムトクロックを搭載しているため、より精密なタイミング管理が可能で、音響の解像感が向上しています。
  • 圧倒的なハイスペックを誇るにも関わらず、タッチスクリーンや操作ノブなど使い勝手に優れた設計が魅力です。
  • 高品質パーツ(ニチコン、ELNA、パナソニックフィルムコンデンサなど)を多用し、純度の高いオーディオ再生を追求しています。
  • FIIOのデスクトップオーディオシリーズの後継として、ソース入力や制御インターフェースの多機能性も備えています。

K15のメリットは?

FIIOのDAC複合機「K15」は、上位モデルであるK17と比較し、特定のユーザーニーズに応じたメリットがあります。最大の強みは、価格が約98,800円と、K17よりも手頃でありながら、FIIOブランドの設計理念が息づく本格的なデスクトップオーディオ機器である点です。

まず、K15はFIIO初採用のAKM製DAC「AK4497S」を2基搭載しており、上位機のような洗練された設計を感じられる高解像度な音質を楽しむことができます。また、最大出力3000mW(32Ωバランス接続時)を誇り、多くのヘッドホンで十分な駆動力を提供します。

さらに、Roon Ready対応によるネットワーク再生機能は、ストリーミングサービスを利用したオーディオ体験を重視するユーザーにとって大きな利点です。操作性や接続性に優れた設計が採用されており、リスニング環境への導入も容易です。また、ヘッドホンアンプにはディスクリートAB級回路を採用し、充実したアナログオーディオ性能を発揮します。

K15は電源設計にも工夫がされており、「DC/ACデュアル電源」や高品質な部品(ニチコン、ELNA、ルビーフィルムコンデンサなど)を使用することで、安定した電力供給を実現しています。このような高品質部品の採用は、K17に迫る性能を一部実現しつつも全体のコストを抑えた設計方針を象徴しています。

また、K15は約2100gとK17(約2750g)よりも軽量で、設置や持ち運びが容易である点も魅力的です。物理スペースに制約のある小型のデスクトップ環境にも適応しやすいでしょう。このように、K15はK17の性能を引き継ぎつつ、コストパフォーマンスに優れた選択肢として、多くのオーディオファンに支持されるモデルとなっています。

どちらがどうおすすめ

K17がおすすめのユーザー(箇条書き)

  • FIIOのDAC複合機の中でも最上位モデルを求める、本格派デスクトップオーディオユーザー
  • より高い解像度とダイナミックレンジを重視する方
  • ハイインピーダンスなどの難物ヘッドホンを使用しており、4000mWの出力を活用したいユーザー
  • 多機能かつ31バンドPEQを利用して細かい音質調整を行いたい方
  • 高品質部品や3基のフェムトクロックによる正確な再生性能を求める方
  • 大容量リニア電源設計による安定性が優先事項の方
  • 価格よりも音質や性能を最優先するオーディオ愛好家やプロフェッショナル

K15がおすすめのユーザー(箇条書き)

  • FIIOのデスクトップDACシリーズを初めて試すエントリーユーザー
  • 解像度や出力性能も十分に高い、コストパフォーマンスを重視する方
  • ROON Ready対応機能を必要とするストリーミング音楽ユーザー
  • 比較的手頃な価格帯でバランス設計や高品質コンポーネントを活用したい方
  • コンパクトで軽量な設計(約2100g)が好ましいというユーザー
  • 10バンドPEQが使えれば十分と考える方で、音質調整に過剰な機能を求めない方
  • 日常的な使用環境で十分な性能を求めるオーディオファン

共通点が多く、両機の本質的なプラットフォームは同じ。違いは DACチップ構成・アンプ出力・PEQバンド数・電源設計・クロック数・部品グレード・重量・価格 といったオーディオ的な上位志向的な部分になります

FIIO K17とK15は、どちらもFIIOが展開するデスクトップオーディオシリーズに属し、本質的なプラットフォームは同じです。しかし、K17はAKM製フラッグシップDAC「AK4499EX×2」やフルディスクリートAB級アンプによる4000mWの高出力性能を備えるなど、より上位志向の設計がされています。一方でK15は高いコストパフォーマンスを持ちながら、ROON Ready対応や軽量設計など日常使いに適した要素を強く持っています。各機種は性能と価格帯で明確に差別化され、それぞれの利点に応じた選択が可能です。

まとめ

FIIOのDAC複合機「K17」とその下位モデル「K15」を比較すると、それぞれの特徴や性能などに明確な違いが見えてきます。「K17」は、AKMのフラッグシップDAC構成や高性能DSP、31バンドPEQなどを搭載し、より洗練された音質と高度な機能性を提供します。一方、「K15」は同価格帯では非常に高いコストパフォーマンスを実現し、必要十分な性能を備えたバランスの良い選択肢となります。

デスクトップオーディオマニアにとって、「K17」は特に解像度やパワフルなサウンドが求められる場面で威力を発揮するハイエンド機種としておすすめです。一方、初めてFIIOのデスクトップオーディオシリーズ製品を試したい方や、そこまで高額な投資を控えたい方にとって「K15」は理想的な選択肢となるでしょう。

どちらを選ぶべきかは、使用目的や求める音質、機能性への優先度によります。FIIOのDAC複合機シリーズは、どのモデルにも共通して高い品質と妥協のない設計が詰まっているため、いずれを選んでも満足度の高い音響体験を得られることは間違いありません!

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