FIIOのDAP新モデルM21と従来機JM21を比較しての違いを解説。
はじめに
FiiO(フィーオ)は、オーディオ市場において高性能かつコストパフォーマンスに優れた製品を数多く提供しているメーカーとして知られています。その中でも、同社のデジタルオーディオプレーヤー(DAP)は特に注目されるカテゴリであり、音質重視のユーザーから支持を集めています。近年では、Android OSを搭載したDAPが一般的となり、ストリーミングアプリの使用や多彩な機能を楽しめる点が魅力となっています。
本記事では、FIIOのDAP最新モデル・M21(記事執筆時点では海外発表のみ)とその従来機であるJM21を、音質やデザイン、性能面などさまざまな観点から徹底比較し、その違いを明らかにしていきます。両モデルは高音質を追求するユーザーだけでなく、ポータブル性やスマートな使い勝手を求める方にも向けて設計されており、選び方次第でその満足度が大きく変わります。どちらを選ぶべきか悩んでいる方に、購入の参考となる情報を詳しくお届けします。
この比較を通じて、FIIOが目指すDAP市場での新たな展望にも触れることで、より深い理解を得られるでしょう。FIIO JM21やM21を検討中の方、あるいは最新のDAP市場に興味がある方にとって、有益な内容となるはずです。それでは、FIIO M21とJM21の違いや共通点について詳しく見ていきましょう!
追記:6/13にM21が国内発表されました。6/20発売で想定実売価格は53,900円とのことでした。
ともにハイコスパなAndroid DAPであるM21とJM21の概要
FIIOのDAP新モデル・M21と従来機・JM21は、ハイコストパフォーマンスなエントリー級(国内価格3万円から5万円台くらい)のAndroid DAPとして注目を集めています。両機種ともに、音質、ストリーミングアプリ対応、ポータブル性に優れた製品であり、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。
JM21は2024年に発売され、Snapdragon 680プロセッサとデュアルCS43198 DACを搭載したフルバランス設計が特徴となっています。また、Android 13をOSに採用し、SpotifyやTIDALなどのストリーミングアプリが使用可能なため、最新の音楽体験を手軽に楽しむことができます。この内容で実売価格が3万円ちょっとということでも大きな話題になりました。一方、M21はJM21の上位モデルとして2025年に発売されます(海外価格は約4万円)。メモリやストレージの増量、高音質化を実現するオーディオ構成の強化、そしてバッテリー性能の向上を図っています。
どちらの製品も、価格帯に応じたコストパフォーマンスの高さが魅力的で、DAP初心者や既存のDAPユーザーにとっても有力な選択肢と言えます。FIIOのこれらのモデルは、ポータブルオーディオ市場において、音質と利便性のバランスが取れた製品としてさらに評価を高めるでしょう。
追記:6/13にM21が国内発表されました。6/20発売で想定実売価格は53,900円とのことでした。
FIIO M21とJM21で違う点
メモリとストレージの違い:JM21のRAM 3GB + ストレージ32GBからM21はRAM 4GB + ストレージ64GBに増加
FIIOのDAP新モデルであるM21は従来機のJM21に比べ、メモリとストレージが大幅に強化されています。JM21のRAMは3GB、ストレージ容量は32GBでしたが、M21ではRAMが4GB、ストレージが64GBに増加しました。このアップグレードにより、Android端末としての性能が向上し、ストリーミングアプリやハイレゾ音源の管理がより快適に行えるようになりました。
オーディオ構成の違い:具体的にはM21にはOPA1692が加わっている
M21では、新たにOPA1692を採用しており、これが音質面での大きな改良点となっています。一方でJM21はデュアル構成のCS43198 DACを利用していますが、M21のオーディオ構成はより高品質なサウンドを実現できるとメーカーが謳っています。この進化により、FIIO DAPユーザーはハイレゾ音源やバランス接続での音の細やかさや臨場感をより一層楽しめるでしょう。
バッテリー容量の違い:M21は4000mAh、JM21は2400mAh
M21はバッテリー容量が4000mAhと大きくなり、従来のJM21の2400mAhと比べて大きな向上を見せています。この仕様変更により、長時間の使用やストリーミング再生などにおいてさらなるポータブル性と利便性を提供します。
バッテリー持続時間の違い:M21は15時間(アンバランス)、12.5時間(バランス)、JM21は12.5時間(アンバランス)、9.5時間(バランス)
続いて、バッテリー持続時間の違いについて解説します。M21はアンバランス出力で最大15時間、バランス出力で12.5時間の再生が可能なのに対し、JM21はアンバランスで12.5時間、バランスで9.5時間となっています。この差は、長時間リスニングを頻繁に行うユーザーにとって、大きな魅力ポイントとなるでしょう。
サイズ、重量の違い:M21はJM21に比べ、厚みが4mm、重量が37gアップ
M21は、JM21に比べてやや大きく、厚みが4mm増加し、重量も37gアップしています。サイズアップの理由は、内部により大容量のバッテリーや高性能なコンポーネントを搭載したためと考えられます。ポータブル性能はわずかに低下するものの、音質や使用時間優先という仕様変更と言えるでしょう。
デザインが若干違う
デザイン面でもM21とJM21には微妙な違いがあります。M21は洗練されたモダンなデザインにアップデートされ、保護ケースのオプションとも合うシンプルさが魅力です。一方、JM21は堅実なデザインながらもややクラシックな印象で、好みによって選択が分かれるポイントとなります。
価格が違う:M21は1,999元、JM21の1,199元より高い
価格面の差も大きなポイントです。FIIO M21は1,999元(約40,000円前後)、JM21は1,199元(約30,000円前後)と、M21はJM21よりも高価格に設定されています。しかし、性能や音質の向上を考慮すると、M21はこの価格差に見合った価値を提供していると言えるでしょう。
オプションのケースの違い:M21にはカセットテーププレイヤー型保護ケースがオプションで用意
M21には、ユニークなカセットテーププレイヤー型保護ケースがオプションで用意されています。このアクセサリーは、実用性だけでなく、レトロなデザインを好むオーディオユーザーにも好評です。一方で、JM21のケースはよりシンプルな選択肢となっており、デザインのユニークさではやや劣っている印象を受けます。
FIIO M21とJM21 共通の内容
FIIOのDAP新モデル・M21と従来機・JM21は、それぞれ独自の強みを持ちながらも、数多くの共通点を共有しています。まず、どちらもAndroid OSを採用した高性能なデジタルオーディオプレーヤー(DAP)であり、ストリーミングアプリに対応しているため、SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスを高音質で楽しむことができます。
さらに、両モデルともにデュアルDAC構成を採用しており、FIIOの得意とする音質設計が存分に活かされています。特に4.4mmバランス出力に対応している点は、ポータブルながらもハイエンドな音楽体験を提供する要となっています。また、バランス接続により音の分離感や解像度が向上し、オーディオマニアも満足できる仕様です。
加えて、Snapdragon 680プロセッサを搭載しているため、Android搭載端末としても十分な処理能力を持ち、動作がスムーズです。これにより、音楽の再生だけでなく、複数のアプリケーションを快適に使用することが可能です。ストレージやメモリの点では差はあるものの、いずれも幅広い楽曲データへの対応が期待できます。
また、FIIOのこだわりが反映されたアンプ設計も特徴的で、デュアルアンプ構成によりフルバランス設計を実現しています。これにより、高音質な音響体験を楽しめるだけでなく、ポータブル機器とは思えないクオリティのサウンドを出力します。加えて、パススルー充電機能も共通の仕様として搭載されており、利用中の充電も効率的に行える点が便利です。
このようにFIIO DAPの最新モデルM21と従来機JM21は、丁寧に設計された仕様と高い性能を多く共有しており、どちらも初めてDAPを購入する方や上質なポータブル音楽体験を求める方にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
FIIO M21とJM21の仕様比較表
以下は、FIIOのポータブルオーディオプレーヤー新モデル M21 と従来機 JM21 の仕様比較表です。
項目 | FIIO M21 | FIIO JM21 | 差異・備考 |
---|---|---|---|
プロセッサー | Snapdragon 680 | Snapdragon 680 | 共通 |
OS | Android 13 | Android 13 | 共通 |
メモリ (RAM) | 4GB | 3GB | M21が増加 |
内部ストレージ | 64GB | 32GB | M21が倍増 |
ストレージ拡張 | microSD(最大2TB) | microSD(最大2TB) | 共通 |
DAC構成 | CS43198×4基 | CS43198×2基 | M21が高性能構成 |
オーディオ回路 | OPA1692搭載 | 非搭載 | M21が追加で高音質化 |
デジタル出力品質 | 高品位S/PDIF(低ジッター) | 標準的なS/PDIF | M21が上位 |
USB端子 | USB-C(データ)+ USB-C(給電) | USB-C(兼用) | M21は端子分離で利便性向上 |
バッテリー容量 | 4000mAh | 2400mAh | M21が大容量 |
連続再生時間 | 15時間(アンバランス) 12.5時間(バランス) |
12.5時間(アンバランス) 9.5時間(バランス) |
M21が長持ち |
サイズ | 121×68×17mm | 120.7×68×13mm | M21は4mm厚い |
重量 | 193g | 156g | M21は37g重い |
ディスプレイ | 4.7インチ 750×1334 | 同左 | 共通 |
出力端子 | 3.5mm / 4.4mm / USB-C / 同軸 | 同左 | 共通 |
Bluetoothバージョン | 5.0(送信コーデック:SBC / AAC / aptX / aptX HD / LHDC / LDAC ・受信コーデック:SBC / AAC / LDAC) |
5.0(同コーデック対応) | 共通 |
Wi-Fi | 2.4GHz / 5GHz、DLNA/AirPlay対応 | 同左 | 共通 |
対応フォーマット | PCM 768kHz/32bit、DSD512対応 | 同左 | 共通 |
デザイン | 若干変更あり(詳細不明) | – | M21はやや変更 |
オプションケース | カセット型保護ケースあり | 記載なし | M21のみ |
価格(中国元) | 1,999元(追記:国内価格約53,900円) | 1,199元(国内価格約3万円) | M21が高価格 |
FIIO M21とJM21の違いによる影響を分析
音質の違い
FIIOのDAP新モデル・M21と従来機・JM21を比較する際、多くのユーザーが注目するのが音質です。FIIO M21ではOPA1692が追加されており、これが音質向上の鍵となっています。OPA1692は高精度なオペアンプとして知られており、これにより高音域の明瞭さや低音域の力強さがさらに向上しています。一方、JM21も十分にクリアでバランスの良いサウンドを提供していますが、M21の方がより多層的かつ広がりのある音場を提供するとメーカーも謳っています。
また、両モデルとも複数構成のCS43198 DACを採用しているため、4.4mmバランス接続時の高音質体験も可能です。ただし、M21はDAC構成も4基に増強されており、音質面での追加改善があるため、オーディオマニアにとっては魅力的な選択肢となるでしょう。
Android端末としての性能の違い
FIIO M21とJM21はどちらもAndroid OSを搭載しているため、ストリーミングアプリやその他の便利な機能が利用できます。しかし、M21はRAM 4GBとストレージ64GBを搭載し、JM21のRAM 3GB、ストレージ32GBに比べて着実にスペックアップしています。この違いにより、複数のアプリを同時に利用する際のスムーズさや、大容量音源の保存への対応がM21の方が優れています(あまり差はないでしょうが)。
また、両モデルはSnapdragon 680プロセッサを採用していますが、M21のメモリの余裕により、操作性やアプリの動作速度がさらに最適化されていると考えられます。
使用感の違い
使用感に関しては、どちらもAndroidを採用しており直感的に使える点は共通していますが、バッテリー持続時間の違いが、日常使用時の快適さに影響を与えます。M21は4000mAhの大容量バッテリーを搭載し、アンバランス接続時で最大15時間の再生時間を誇ります。
一方、JM21は2400mAhのバッテリーで最大12.5時間の再生が可能です。この差が長時間の外出時やバッテリー充電の手間を減らす点で、M21の優位性を感じられるでしょう。しかし、一方でM21は重量が37g増加しているため、持ち運びのしやすさがやや犠牲になっているという側面もあります。
ポータブル機器としての性能の違い
ポータブル機器として検討する場合、バッテリーの持続性や本体のサイズ・重量などが重要な要素となります。M21はJM21に比べ4mm厚みが増し、重量が37gアップしています。このため、超軽量かつコンパクトであることを重視する場合、JM21が有利です。
しかし、それ以上に長時間の使用や高音質を求めるユーザーにとっては、M21の大容量バッテリーや強化された音響性能が魅力的に映るでしょう。さらに、M21にはオプションでカセットテーププレイヤー型の保護ケースが用意されており、アクセサリーの豊富さもポータブル機器としての魅力を高めています。
M21とJM21のどちらを選ぶべきか
価格とコストパフォーマンスの比較
FIIOのDAP新モデル・M21と従来機・JM21を比較すると、価格面ではM21の1,999元(約40,000円相当、国内実売価格はまだ不明 6/13追記:国内実売価格は約53,900円と判明)がJM21の1,199元(約30,000円相当、国内実売価格も同じくらい)を大きく上回っています。
しかし、その価格差に見合うように、M21はRAMやストレージ容量の増加、バッテリー性能の強化、さらに新しいアンプ構成による音質向上が実現されています。特に4.4mmバランス出力や高音質処理が求められるオーディオマニアにとって、この価格差はアップグレードする価値があるといえるでしょう。
一方で、JM21は手頃な価格でDAP初心者やサブ機として利用するユーザーに適しており、全体的なコストパフォーマンスが高いのも特徴です。
M21が適しているユーザー
FIIO M21は、数万円程度までのエントリー級のDAPでもより高い音質を求める志向のユーザーにおすすめです。特に4基構成のDACやOPA1692アンプを採用し、さらに高度なオーディオ体験を提供することで、DACやバランス接続の品質を重要視するオーディオマニアにとって魅力的な選択です。
また、パワフルなスペックと大容量バッテリーにより、進化したAndroid端末としてストリーミングアプリをスムーズに利用したいエントリーユーザーにも適しています。SFDIF出力も強化されているため、デジタルトランスポートとして使いたい方にも適しています。さらに、耐久性の高いボディや専用アクセサリー(カセットテープスタイルの保護ケース)を求める方にも適したモデルと言えます。
JM21が適しているユーザー
FIIO JM21は、コストを抑えながらも高品質なAndroid DAPを楽しみたい初心者に非常に向いています。DAPの基本機能を始めて体験する方や、価格抑制がメインの方にとって、高いコストパフォーマンスが大きな魅力です。また、サブ機として持ち運びに便利なDAPを探しているユーザーにもよい選択肢となります。4.4mmバランス出力やデュアルCS43198 DACといった仕様を搭載しているため、手頃な価格ながら十分な音質を提供する点も魅力的です。
今後のDAP市場におけるFIIOの展望
FIIOは、すでにJM21のようなハイコスパモデルを通じて、DAP市場でのプレゼンスをさらに高めています。特に、価格帯や仕様に応じた幅広いラインナップを展開することで、多様なユーザーのニーズに応えています。さらに、より高度なDACやアンプ技術の採用、バッテリー性能の向上、そしてAndroidベースの柔軟なシステムの搭載を進化させることで、FIIOはDAP市場のリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあります。また、カセットテープ型ケースのような遊び心のあるデザインにより、プロダクトの魅力を付加価値としてユーザーに提供しています。
2025年5月初旬時点ではM21の国内発売はまだアナウンスされていませんが、おそらく近いうちに発表されるでしょう。この内容で4万円台半ばまでの価格なら、最新Android DAPとしてかなりの有望機になりそうです。個人的にも大いに期待したいところです!
6/13追記:国内実売価格は約53,900円と出ました。思ったよりも高かったかもしれません…
まとめ
FIIOのDAP新モデル・M21とJM21を比較して、その違いを解説してきました。どちらも優れたハイコスパなAndroid DAPで、用途やユーザーのニーズに合わせて選ぶ価値があります。M21は最新の技術や高音質を追求したい方、新しいデザインやさらなるポータブル性を求めるユーザー向けに最適です。一方で、JM21は手ごろな価格とバランスの取れた性能を重視した選択肢として支持されています。
音質向上を支えるDAC4基本構成やOPA1692やデュアルアンプ構造などがM21の特長であり、最新のDAP市場における競争力を備えています。また、バッテリー容量やメモリ、ストレージの強化によって、ストリーミング用途や長時間使用にも耐えられる製品として設計されています。一方で、JM21は初心者のDAPユーザーやサブ機を求めるオーディオマニア向けに、コストパフォーマンスと基本性能のバランスを提供しています。
M21とJM21のどちらを選ぶにせよ、FIIOが提供する高品質なDAC構成とAndroidベースの自由度の高いインターフェースは共通の魅力です。今後もFIIOはユーザーの多様なニーズに応える製品を展開し、DAP市場での地位をより一層強固にしていくことでしょう!
追記:6/13にM21が国内発表されました。6/20発売で想定実売価格は53,900円とのことでした。思ったより高かったかもしれません…。
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