FIIO AIR LINK

FIIOのBluetoothトランスミッター・AIR LINKをレビュー・評価!AIR LINKは買いのポータブルオーディオ機器なのでしょうか?
今回は、前作「BT11」での不満点をこれでもかと潰しにかかった、FIIOの本気モデル「AIR LINK」を徹底レビューしていきます。圧倒的ボリュームで、その実力を余すところなくお届けします!
はじめに
ワイヤレスオーディオの進化は止まりません。かつては「音質なら有線」が常識でしたが、今やLDACやaptX Losslessの登場により、ワイヤレスでもCDクオリティやハイレゾ相当を十分に楽しめる時代になりました。
しかし、ここで一つ問題が。
「送信側(スマホやPC)が、その最新コーデックに対応していない」というケースが多々あるのです。特にiPhoneユーザーや、一部のAndroidユーザー、そしてPC・ゲーム機ユーザーにとって、高品位なワイヤレス環境を構築するのは意外とハードルが高いものでした。
そこで登場したのが、USBポートに挿すだけで最新のBluetooth環境を追加できるトランスミッターです。FIIOはこれまで「BT11」というモデルでこの市場に挑んできましたが、正直に言うと、BT11はスペックこそ最強クラスながら「使い勝手」という面で多くのユーザーからツッコミを受ける“問題作”でもありました。
そんなBT11の汚名を返上すべく、満を持して投入されたのが今回のAIR LINK。先行機の反省を活かした「改良の塊」のようなこのデバイスが、私たちのオーディオライフをどう変えるのか。じっくり見ていきましょう!
FIIO AIR LINKの概要(前作BT11を大幅に改善)
FIIO AIR LINKは、2025年11月29日に発売された最新のBluetoothトランスミッターです。一言で言えば、「BT11のスペックを維持しつつ、使い勝手を180度改善した完成形」。
前作BT11は、最新SoC「QCC5181」を搭載し、LDACとaptX Losslessに対応するという当時としては画期的なスペックを誇っていました。しかし、実際に使ってみると「物理ボタンがないからペアリングが面倒」「iPhoneだと音量が小さすぎる」「使っている間はスマホの充電ができない」といった、実用面での課題が噴出。
AIR LINKは、これらの不満を「これでもか!」というほど丁寧に解消しています。
具体的には、
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物理ボタンの搭載
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パススルー充電用ポートの追加
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Bluetooth 6.0へのアップデート
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iPhoneでの音量調整問題の解決(追記:解決していないという情報もあります。留意してください)
といった、まさに「ユーザーが本当に欲しかったもの」をすべて詰め込んでいます。
価格も8,880円(税込)と、BT11からわずかなアップに留まっており、FIIOがいかにこの市場を獲りにきているかが伺えます。
FIIO AIR LINKの内容・特徴を詳しく解説
それでは、AIR LINKの主要な特徴を深掘りしていきましょう。
最新SoC「QCC5181」による圧倒的なコーデック対応
心臓部には、QualcommのフラッグシップBluetoothチップ「QCC5181」を採用しています。
このチップのおかげで、現在考えうる最強の布陣が揃いました。
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LDAC: ハイレゾワイヤレスの代名詞。
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aptX Lossless: Snapdragon Soundの核となる、CD品質のロスレス伝送。
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aptX Adaptive (96kHz/24bit): 低遅延と高音質を賢く両立。
まさに「これさえ挿しておけば、どんな高級ワイヤレスイヤホンが来ても怖くない」という安心感があります。
Bluetooth 6.0による高い安定性
AIR LINKは、驚くべきことに最新規格のBluetooth 6.0をサポートしています。
BT11(Ver 5.4)でも十分高規格でしたが、Ver 6.0へのアップデートにより、電波の混雑した場所での安定性がさらに高まりました。満員電車の中や、多くのガジェットが飛び交うカフェでも、LDACの「音質優先モード」がより粘り強く繋がってくれるようになっています。
多機能ボタンで「直感操作」が可能に
BT11最大の弱点だった「操作性」を劇的に変えたのが、本体側面の物理ボタンです。
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ペアリング: ボタン長押しで即座にペアリングモードへ。
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モード切替: 接続中にボタンを操作することで、コーデックのモード(低遅延優先か音質優先かなど)をアプリを開かずに切り替えられます。
これが本当に便利。例えば、動画を見る時はサッと低遅延モードに、じっくり音楽を聴く時は高音質モードに、手元で完結するのは大きな進化です。
「聴きながら充電」を実現するデュアルUSB設計
これも革命的です。本体の「裏側」に、メス側のUSB Type-Cポートが搭載されました。
今までのトランスミッターは、スマホの唯一のポートを塞いでしまうため、長時間の使用には向きませんでした。AIR LINKなら、外部電源をこのポートに挿すことで、音楽を聴きながらスマホ本体を充電できる「パススルー充電」が可能です。新幹線や飛行機の移動、あるいは自宅での動画鑑賞において、バッテリー残量を気にする必要がなくなりました。
RGBライトによる視覚的なフィードバック
本体にはRGB LEDインジケーターが搭載されており、現在のステータスが一目でわかります。
「今、本当にLDACで繋がっているの?」という不安も、LEDの色を見るだけで解消。視覚的な安心感は、オーディオ体験において意外と重要ですよね。
FIIO AIR LINKの内容・特徴を箇条書きで簡潔にまとめる
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最強のSoC: Qualcomm QCC5181搭載で、LDAC、aptX Lossless、aptX Adaptiveに対応。
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最新規格: Bluetooth 6.0採用で、接続安定性が大幅アップ。
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物理操作: 待望の多機能ボタン搭載。手元でペアリングやモード切替が可能。
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給電対応: USB-Cメスポート搭載。使用中にスマホの充電(最大5V/1A)ができる。
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iPhone親和性: 音量同期の最適化により、iOSデバイスでも十分な音圧を確保(追記:できていないという指摘もあります。留意してください)
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超小型: 重さわずか5g。持ち運びのストレスはほぼゼロ。
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高い汎用性: Android、iPhone(15以降)、PC、PS5、Switchに対応。
FIIO AIR LINKの仕様
| 項目 | 詳細仕様 |
| 型番 | FIO-AIRLINK |
| Bluetoothチップ | Qualcomm QCC5181 |
| Bluetoothバージョン | 6.0 |
| 対応コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX LL, aptX Adaptive, aptX Lossless, LDAC |
| 最大サンプリングレート | 96kHz / 24bit (LDAC / aptX Adaptive) |
| マルチポイント | 対応(最大2台) |
| 接続端子 | USB Type-C (オス) |
| 充電ポート | USB Type-C (メス) ※最大5V/1A入力 |
| 重量 | 約5g |
| サイズ | 34.5 × 23.5 × 9.5 mm |
| カラー | ブラック / シルバー |
| 価格 | 8,880円前後 |
FIIO AIR LINKのレビュー
ここからは、実際に使っての忖度なしのレビューをお届けします。
### 機能、スペック面
スペック的には、現時点でBluetoothトランスミッターに求められるものを「全部入り」にした感があります。特にQCC5181の恩恵は大きく、LDACの解像感、aptX Losslessの密度の濃い音は、スマホ直結のBluetoothとは一線を画します。
「LE Audio非対応」は本当に弱点か?
唯一、スペック表を見て「おや?」と思うのが、次世代規格であるLE Audio(LC3)への非対応です。最新機種なのに、なぜ?と思うかもしれません。
しかし、実際に使ってみるとこれが「致命的な弱点」ではないことが分かります。
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現状の普及率: LE Audio対応のイヤホンは増えてきましたが、まだ主流はClassic Bluetooth(LDAC/aptX)です。
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用途の重複: LE Audioの売りは「低遅延」と「高音質」ですが、AIR LINKには既にaptX LL(Low Latency)やaptX Adaptiveが備わっています。
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互換性の優先: 開発のリソースを、現時点で最も需要の高いLDACとLosslessの安定化に振った結果と言えるでしょう。
もちろん、数年後にはLE Audioが標準になるかもしれませんが、今この瞬間に「最高の音を聴きたい」というニーズに対して、LDAC/Lossless対応で事足りるのは事実です。
### 操作性、使い勝手面
「ボタン最高!」
この一言に尽きます。BT11の時に感じていた「アプリを起動しないと何もできない」もどかしさが、嘘のように消え去りました。イヤホンを新しく買った時、あるいは複数のイヤホンを使い分ける時、本体のボタンを長押しするだけでペアリングモードに入る。当たり前のことが、これほどありがたいとは。
また、パススルー充電ポートの存在感も大きいです。実際にPCに挿して使っている時、PC側のポートを一つ潰しても、そこからマウスなどの軽微な周辺機器を繋げる(※本来は充電専用ですが、環境により挙動は異なります。公式には5V/1A給電用)というのも、モバイルユーザーには嬉しいポイントです。
### 接続安定性、汎用性(互換性の高さ)
Bluetooth 6.0の威力は本物です。
LDACの「音質優先(990kbps)」は、非常にデータ量が多いため、少しの電波干渉で音が途切れがちです。AIR LINKでも、「通勤ラッシュ時の新宿駅ホーム」のような極限状態では、流石にプツプツと切れることがありました。しかし、街中を歩いている程度なら、BT11よりも明らかに安定感が増しています。
また、iPhoneでのボリュームコントロールが劇的に改善されています。BT11では「iPhone側の音量をMAXにしても音が小さい」という悲劇が起きていましたが、AIR LINKではアプリや本体設定により、適切なゲインを確保できるようになっています(できていないという指摘もあります。留意してください)
### 携帯性
BT11と比較すると、パススルーポートやボタンが追加された分、一回り大きく、厚くなりました。
「世界最小クラス」を誇っていたBT11に比べると、「あ、何か付いているな」という存在感は増しています。とはいえ、重さはわずか5g。スマホに挿したままポケットに入れても、端子に無理な負荷がかかるほどの重量ではありません。むしろ、これだけの多機能を5gに収めたことを褒めるべきでしょう。
### 他機との比較
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FIIO BT11(前作):
音質こそ同等ですが、使い勝手は別物。iPhoneユーザーなら迷わずAIR LINKです。また、長時間音楽を聴く習慣がある人も、充電しながら使えるAIR LINK一択でしょう(追記:ボリューム問題が解決していないという指摘もあるので、導入には留意が必要です)。
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Questyle QCC Dongle Pro:
こちらは音質に全振りしたようなライバル。非常に高音質ですが、価格がより高価で、AIR LINKほど「何でもこなせる器用さ」はありません。よりガチなオーディオファン向けの選択肢です。
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SENNHEISER BTD 700:
安定性では定評がありますが、LDACには非対応(aptX LosslessとLE Audio対応)。SENNHEISERのイヤホンを愛用しているなら良い選択ですが、幅広いコーデックを網羅したいならAIR LINKに軍配が上がります。
### コストパフォーマンス
8,880円という価格をどう見るか。
「ただのBluetooth送信機」と思えば高く感じるかもしれません。しかし、「手持ちのスマホやPCを、最新のハイレゾ対応オーディオプレーヤーに変身させる魔法の杖」だと考えれば、むしろ格安です。DAP(デジタルオーディオプレーヤー)を別途買うことを思えば、1万円以下でこの体験が手に入るのは驚異的です。
FIIO AIR LINKの実力を簡潔にまとめると
AIR LINKは、「現在のBluetoothオーディオにおける最強のトランスミッターの一角」です。
単にスペックを追うだけでなく、実際のユーザーが何に困っているかを徹底的に調査し、ボタン一つ、ポート一つに意味を持たせた設計になっています。「ワイヤレス音質の壁」に突き当たっているすべての人に、一つの正解を提示してくれます。
FIIO AIR LINKのメリットとデメリットは?
FIIO AIR LINKならではの価値や長所は?
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究極のコーデック対応: LDACとaptX Losslessの両対応で、接続相手を選ばない。
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操作のストレスゼロ: 物理ボタンによる直感的なペアリングとモード切替。
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「聴きながら充電」: バッテリー消費を気にせず、至福のリスニングタイムを楽しめる。
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最新の安定感: Bluetooth 6.0採用による、より堅牢な無線接続。
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マルチデバイス対応: PS5やSwitchに挿すだけで、超低遅延(aptX LL)なゲーム環境が手に入る。
FIIO AIR LINKの弱点や改善要望点は?
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本体サイズ: 前作BT11より一回り大きく、厚くなった(多機能とのトレードオフ)。
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LE Audio非対応: 未来の規格(LC3等)にはまだ手が届いていない。
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給電能力: パススルー充電は5V/1Aまで。急速充電(PD)には対応していないため、重い作業をしながらだと充電が追いつかない可能性も。
FIIO AIR LINKがおすすめのユーザーなど
FIIO AIR LINKがおすすめのユーザーは?
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iPhone 15/16シリーズを使用している音楽好き: 本来なら対応していないLDACやaptX Losslessを解禁できます。
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ワイヤレスでも「音質には妥協したくない」人: 990kbpsのLDACの世界を体験してください。
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スマホで長時間動画を見たりゲームをする人: パススルー充電の恩恵を最も受ける層です。
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複数のBluetoothデバイスを使い分けている人: 物理ボタンによるスムーズな切り替えは感動モノです。
FIIO AIR LINKがあまりおすすめではないユーザーは?
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すでにLDAC/Lossless対応の最新Androidスマホを使っている人: 内蔵機能で十分満足しているなら、外付けのメリットは少ないです(接続安定性を求めるならアリ)。
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1gでも軽く、1mmでも小さいことを最優先する人: その場合は、機能を削ぎ落とした前作BT11の方が合うかもしれません。
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将来のLE Audio規格が何よりも重要だと思う人: 次の世代の製品を待つべきです。
FIIO AIR LINKに関するFAQ
Q:iPhoneでも本当に高音質で使えますか?
A: はい!iPhoneのUSB-Cポートに挿すだけで、iPhone標準のAAC(最大256kbps)を超え、LDACやaptX Losslessが利用可能になります。音質の違いは一聴して分かるレベルです。
Q:AndroidでaptX Losslessを使う条件は?
A: Android端末側が特別な対応をしている必要はありません。AIR LINKを挿せば、AIR LINKが送信処理を肩代わりするため、イヤホン側がaptX Losslessに対応していればOKです。これこそが外付けトランスミッターの最大の利点です。
Q:ゲーム用途で遅延は気になりますか?
A: コーデック次第です。aptX LL(Low Latency)対応のイヤホンを使えば、FPSでも違和感のないレベルになります。LDAC(音質優先)だと流石に遅延を感じるため、用途に合わせてボタンで切り替えるのがおすすめです。
Q:ノートPC、PS5、Switchでも使えますか?
A: 基本的に挿すだけで認識されます(プラグアンドプレイ)。特に、Bluetooth機能が貧弱なPCや、高音質コーデックに非対応なゲーム機には最適なアップデート手段です。
Q:充電しながら使うとノイズは出ますか?
A: FIIOの設計技術により、給電ポートからのノイズ混入は徹底的に抑えられています。実際に試した限り、充電中であっても背景にサーッというノイズ(ホワイトノイズ)が乗ることはありませんでした。
レビュアーによる私感まとめと本機が買いかの結論
正直なところ、BT11が出たときは「惜しい!」という気持ちが強かったんです。スペックは最高なのに、どこか(いや、はっきりと?)使いにくい。しかし、このAIR LINKを手にして、FIIOというメーカーの「ユーザーの声を聞く力」に脱帽しました。
物理ボタン。充電ポート。Bluetooth 6.0。
これらは派手なスペックではないかもしれませんが、日常的に使う上では「なくてはならないもの」ばかりです。特に、LDACを繋ぎながらスマホの電池残量を気にしなくてよくなったのは、私のようなヘビーユーザーにとっては「解放感」すらあります。
結論として、これは間違いなく「買い」です。
8,880円という投資で、手持ちの全てのUSB-Cデバイスが最強のオーディオ出力機に変わる。ワイヤレスイヤホンに数万円投資している人なら、そのイヤホンの「真の実力」を引き出すための必須装備と言えるでしょう。
まとめ
FIIO AIR LINKは、単なるマイナーチェンジではありませんでした。BT11で蒔かれた「高音質トランスミッター」という種が、実用性という栄養を得て、ついに完成された「製品」として花開いた。そんな印象を強く抱かせる一台です。
「ワイヤレスは便利だけど、音質はこんなものか…」と諦めていた方。
「iPhoneに替えたら、お気に入りのLDACイヤホンが宝の持ち腐れになった」と嘆いていた方。
AIR LINKをスマホに挿した瞬間、その悩みはすべて過去のものになります。小さなボディに秘められた、大きな進化。ぜひあなたの耳で、その「違い」を確かめてみてください!


コメント
iphoneでのボリュームに関する記述には疑問が残ります。iphone15iOS26.2でeah-az100を使用した場合、音量は取れませんでした。
アップルミュージックを使用していますがボリュームはイヤホン側とAIR Linkで同期します。
結果、使用に耐えきれず返品しました。
iPhoneでボリュームが取れないという情報が確かにネット上に複数出ています。
このことについては留意したほうが良さそうです。
コメントでの情報提供と喚起をありがとうございます。